J.Nさん
実は、私はみんなの銀行をつくるプロジェクトの立ち上げメンバーの一人なんです。新卒で福岡銀行に入行し、営業店や市場部門、営業統括部門に在籍した後、永吉(現みんなの銀行取締役頭取)が立ち上げをリードし社長を務めていた「iBankマーケティング(以下、iBank)」にジョインしました。着任間もないある日、目の前の席にいた永吉が「新しい銀行を作りたいんよね」と呟いたんです。その時は半分冗談かなと思い「それ、めちゃ面白そうですね」と返したものの、「え?まだiBankを立ち上げて半年だぞ。今やってることさえ課題は山積なのにもしかしてこの人本気で言ってるのか…?」と理解が追いつかなかったことを今でも覚えています。
しかし、iBankの初期フェーズを経て、すぐに永吉の意図が理解できるようになりました。
世の中の変化の速さやメガテック企業による金融進出の脅威、お客さまの期待とサービスレベルのギャップなどを強く肌で感じたんです。
「表面的なDXではなく、商品・サービス、それらを支えるシステムそのものがデジタルに即して変わっていかないとこれからの銀行は本当の意味で戦えない」と、私自身の危機感とそれにチャレンジすることへの期待感も高まっていきました。
「みんなの銀行プロジェクト」のスタート以来、戦略や事業開発、プロジェクトマネジメント、広報など経営陣をサポートする仕事にあたっています。また、その延長線として、我々はまだまだ生まれたての会社なので課題や対応すべき事項が社内のそこらじゅうに転がっており、それらの中から経営陣と優先順位を相談しながら一部を拾って企画・推進したりもしています。さらに、1年ほど前からは口座開設やCRMの推進等を所管するマーケティンググループのリーダーも兼務しています。色々説明しましたが、私の場合は「何でも屋さん」というのがシンプルで分かりやすいかもしれません(笑)。
我々は、最後発群の銀行でありかつ日本初のデジタルバンクなので、ネット銀行も含めた既存の銀行とは大きく差別化を図る将来像を描いています。つまり、案件ひとつひとつが新しいチャレンジとも言えます。それ故に越えなければならないハードルが毎回多い訳ですが、社内のメンバーは常にチームワークを発揮しながらチャレンジャー精神や最初の一歩を踏み出す行動力をもって取組んでいると思います。また、銀行はお客さまからの信頼があってこそ成立することから、常に守りの部分をしっかりと固めながら新しい領域に向かって攻めるという難しさも伴いますが、その点にもやりがいを感じています。
銀行のつくり方もわからない状態から事業構想が始まりプロジェクト化まで2年、プロジェクト開始から銀行設立まで2年、そして開業~現在と、あっという間に月日が流れました。最初はたった3人だったメンバーも、気付けば250人を超え、志を同じくする多くの仲間が集まっています。フェーズごとに苦労の種類は異なりますが、どのフェーズにおいても仲間とのチームワークがなければ多くの苦労や難局は乗り越えられなかったと思います。
バリューのひとつとして“「銀行らしさ」からの脱却”を掲げるみんなの銀行の7割は銀行以外の業界からジョインしたメンバーです。彼らと銀行出身者の化学反応でどのようなサービス・体験が生まれるか、社内カルチャーが醸成されるのか、毎日刺激的でワクワクする日々を過ごしています。また、繰り返しになりますが、銀行はお客さまからの信頼があってこそ。第十七国立銀行から始まったふくおかフィナンシャルグループ150年の伝統の中で「変えるべきでないもの」も新しい仲間と共有しながら新しい銀行の姿を探索していきたいと思います。
さいごに、宣伝で恐縮ですが、銀行設立までのストーリーについては書籍「イノベーションのジレンマからの脱出(日経BP)」に詳しくまとめてありますので、興味がある方にはぜひ読んでいただきたいです(笑)。
長男次男ともに野球に夢中で、全ての休みは応援やお手伝い、オヤジ飲み会に消えていますw。そういう生活が長く続いており、いつの間にかライフワークそのものに。ただ、もう少しでこの生活も終わるので、何して楽しむか妄想中♪